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Celina Jinguji

鹿児島県屋久島町における海底・海岸清掃活動を切り口とした地域活性サポート〜屋久島町「海・川・山の繋がりで豊かな屋久島の自然を守るプロジェクト」〜

世界自然遺産30周年を迎えた屋久島町では、屋久島スキューバダイビング事業者組合に所属する事業者と地元漁師及び船主会(ダイビング事業協力会)が協力し、令和4年度から海底・海岸清掃活動を行っています。

※弊社は海底・海岸清掃活動の企画・運営を行っています。


活動の背景

屋久島は、世界自然遺産登録以降、縄文杉を含む原生林などの“山”が多くのメディアに取り上げられ、その印象が強いですが、実は海も大きな見どころの一つ。黒潮が当たる場所に位置しているため、島の周辺には豊穣な海が広がっています。日本で10ヶ所しかないユネスコエコパークにも登録されており、その中でも唯一海域が含まれているのは屋久島のみ。その海の魅力は徐々に広がり、ダイビングやシュノーケリングを楽しむ方も増え、海を目的に屋久島に来るという方も増えてきています。

屋久島のダイビングポイントでは、温帯種と亜熱帯種の魚が混在する、とても珍しい光景を見ることができます(写真:中村卓哉氏)
屋久島のダイビングポイントでは、温帯種と亜熱帯種の魚が混在する、とても珍しい光景を見ることができます(写真:中村卓哉氏)

一方これまでは、環境保全に関する行政の予算は山や森の保全を目的としたものが多く、海の環境保全にはなかなか取り組めていない状況でした。しかし、海のアクティビティが盛んになってきたこと、そして海底・海岸清掃を実行できる地元のダイビング事業者が増え、協力体制ができてきたことが大きなきっかけとなり、ふるさと納税を活用し、海の環境保全としてこの活動が実現できることとなりました。

 

この活動は、屋久島憲章にある「いつでもどこでもおいしい水が飲め、人々が感動を得られるような水環境の保全と創造に努め、そのことによって屋久島の価値を問いつづけます。」という条文に基づき、屋久島を育んできたこの豊かな水の循環を、その起源である海から守ることを目的とした、「海・川・山の繋がりで豊かな屋久島の自然を守るプロジェクト」の一環として行われています。


活動の様子

清掃を行なっているエリアは島の北側に位置する一湊漁港の周辺。ここは、屋久島の中でも特にダイビングの拠点となっている場所で、多くのダイバーがこの港から船に乗ってダイビングに向かっている場所でもあります。令和4年度は海岸清掃を1箇所、海底清掃を4箇所。令和5年度は海岸清掃を2箇所、海底清掃を10箇所の地点で行いました(1月11日現在)。



海岸清掃の様子。海岸清掃は、地形的に漂着ごみが溜まりやすい一方で陸路からだと車で近くに行けず、ごみの回収が困難な海岸に、船で向かい、回収したごみを船に引き揚げます。漁具などが目立ちます。

海底清掃の様子。スキューバダイビングの器材を使用し、潜水時間は一箇所につき約40分。ペットボトル辺や釣り糸などが目立ちます。 


この海底・海岸清掃活動が行政(屋久島町)、地域観光事業者(屋久島スキューバダイビング事業者組合に所属する事業者)、漁業協同組合(地元漁師及び船主会)を始めとする多様な関係者の連携を強化するきっかけとなり、海のブランディングや島内外への環境教育プログラム企画などの事業展開にも繋がっています。

今後も引き続き、関係者と連携し、屋久島を育む豊かな水の循環を継続的に守る活動を行なっていきます。

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